糖尿病の原因と症状
 

 さて糖尿病の原因はいったい何なのでしょう。糖尿病は大きく二つに分
類されます。
一つはいわゆる成人型と呼ばれるインスリン非依存型です(図2)。肥満
を基本に発症するタイプはほとんどがこれです。この型は膵臓からインス
リンが分泌されるのですが、身体の中で十分に作用しない状況が作ら
れ、そのために血糖の調整がうまくいかずに糖尿病になります。またイン
スリンの分泌そのものもある程度障害を受ける場合が多いようです。
 もう一つは膵臓からのインスリンの分泌が、ほとんどなくそのために血
糖が極めて高くなるタイプです。若年発症の糖尿病に多く、ウィルス感染
などを契機に起こる場合もあります。インスリン依存型糖尿病といわれま
す。このタイプはインスリンが絶対的に身体に不足していますからインス
リンを注射で補わなければなりません。
 
 
インスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型糖尿病
インスリン依存型糖尿病

若年発症 インスリンが出ない
インスリンの注射が絶対に必要

インスリン非依存型糖尿病 

いわゆる成人型 肥満を基礎に

インスリン抵抗性

+分泌不全
まず肥満の是正

+食事、運動療法最優先
図2
 
 糖尿病になるとどんな症状が出てくるのでしょう。昔からよくいわれる典
型的な症状は、「多飲多尿」です。これは血糖が高くなることにより、尿に
糖が大量に濾し出されてきますが、それに伴って同時水分も多量に出て
くるため、身体はいわゆる脱水状態となり、なくなった水分を補おうとして
水をたくさん飲みたくなるわけです。
 重症の糖尿病では体重が減少します。血糖の異常は、また身体の中
の電解質すなわちNaやKの異常や酸塩基(血液の酸性、アルカリ性)の
異常が引き起こします。このような場合は、急性のかなり重傷な糖尿病
ですが、糖尿病でさらに怖いのは慢性的な糖尿病では特有の合併症を
引き起こすことがあることです。糖尿病の3大合併症とは、糖尿病性網
膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を指します(図3)。はじめの網
膜症は失明の原因の第一位になっていますし、腎症は透析導入原因の
第一位です。また神経障害は頑固な神経痛や排尿、排便障害の原因と
なり、日常生活が非常に制限されます。これらは糖尿病のコントロール
不足で、病気の期間が長いほど発生しやすくなります。合併症は一度起
こると完全にもとに戻すということは不可能です。ですから糖尿病の治療
はこういう合併症が起こらないうちに始めることが重要であり、また合併
症を起こさないように治療中も常に注意することが必要です。
 また糖尿病はいろいろなファクターと絡み合って容易に動脈硬化と引き
起こします。そのため糖尿病の方は心筋梗塞や脳梗塞も起こしやすくな
ります。
 
 
糖尿病合併症
三大合併症
糖尿病性網膜症 失明の原因の第一位
糖尿病性腎症 透析導入原因の第一位
糖尿病性神経症
その他
動脈硬化性疾患
心筋梗塞
脳梗塞
四肢の壊疽
図3